いせのかたぱん(^^)
伊勢は上等なパン屋さんがそこここにありまして、私が無類のパン好きなら休みの日にパン屋巡りしてしまうとこですが、残念ながらどちらかと言うと米好きでございます。
そんな私ですが、もしパンという名前が付くもので一番食べてるのは、ひょっとしたら｢かたぱん｣かも知れません。
かたぱんを検索してみると最初に出てくるのは｢堅パン｣。
保存食なのでしょうか、一見ビスケットのような見た目に、名前の通りのどうやら固い食べ物で、見てても一向に食欲をそそられません。
あ、福井にある｢メガネ堅パン｣は心惹かれたんだけど、金槌で割って食べるってどーよ?です。
伊勢のかたぱんはそれらとはちっとも違い、まあちょっとは固くて丸くて平べったくて、外はカリカリで中は途中で水分が欲しくなるようなファサファサ感で、味はきっと粉と砂糖と玉子くらいなんじゃないかなーな素朴な甘さです。
スーパーで一番広範囲に購入できるのは、長栄軒のかたぱん。
袋にコックさんが書いてあって可愛いんだけど、中身はこのように色気もそっけもございません。
が多分、スーパーでつい手にとってしまうパンです。
長栄軒には、三角パンなんてのもありまして、これも懐かしの味の一つです。
2枚のウエハースにカステラが挟んであって、カステラの間にはジャムが、ウエハースとカステラの間にはクリームが塗ってあります。
なので、食べてる間にウエハースとカステラはずれるわ、ウエハースは上あごにくっついて手で剥がさなきゃいけないわと、非常に難儀な食べ物です。
でも、やっぱり年に一回くらい無性に食べたくなります。
後、伊勢でかたぱんと言えば、丸与製パン店のかたぱん。
普段のここのかたぱんは唐草模様の焼き印が押されてるんだけど、運動会やら神事の後に丸与のかたぱんに｢祝｣の焼き印を押したものが配られたりします。
伊勢に長く住んでると、一度はお目にかかる代物です。
ちっちゃなお店に、穏やかな看板おばあちゃんが一人店番してまして、ノンビリとお会計してくれます。
私が通ってた高校は、ここで作ってる桃の形をしたパン、その名も｢桃パン｣（そのまんま）を販売してました。
あの頃から比べると、ちょっと小ぶりになった感じがするけど、これも懐かしいパンです。
伊勢はこんなにかたぱん文化（違うと思う）なのに、扱ってるのは2軒くらい（しかも長栄軒は本社が松阪）なんだーと思ってたら、先日それらしきお店をもう一軒見つけました。
筋向橋の近くに｢島地屋餅店｣というそれはもう渋い和菓子屋さんがあるんだけど、そこで2枚150円で販売されてました。
味は完璧にかたぱん、でも名前は｢焼パン｣…。
袋が端っこ2箇所をホッチキスで綴じてあるだけの袋詰めもラフで好きです。
あ、焼き印は神宮さんと、一番しっかりしてるのが印象的でした。
興味のある人はぜひ行ってみてくださいませ。
ちなみに、ちょっと声を張らないとお店の人が出てきてくれません…。
とまあ、かたぱんについてつらつらと書いてはみたのですが、読み返してみると｢結局、君はかたぱんが好きなのかね?｣な内容となってますねー。
ちっとも褒めてないし。
でも好きかキライかと言われれば、もちろん好きです。
きっとどこに行っても、例えばフランスとかで星がついたお店でどんなに美味しいパンを食べてたとしても、｢あー、かたぱん食べたいなー｣なんて思うんでしょうねー。
ソウルフードってそんなもんですよ、多分。
長栄軒
松阪市中央町453
TEL 0598-51-1234
丸与製パン所
伊勢市八日市場町1-26
TEL 0596-28-2708
島地屋餅店
伊勢市常磐2丁目5-19
TEL 0596-28-0930
山下製パン所
伊勢市本町13-6
TEL 0596-22-9910