No.87 庚申さん
2014/06/23
前から気になっていたのですが、ここ。
モナリザのすぐちかくにあるこのお堂。
こんな風に、お猿の木彫りが置いてありますが。
それがある日前を通ったらこんな風に人が中に入っててビックリ!!
なにやらが幕があります。
どうやらこれは河崎南町にある「庚申さん」だとのことです。
庚申さんとはなんぞや。
最近では日めくりのあるご家庭は少ない思いますが、毎日に干支が割り当てられていますね。
「乙未 -きのとひつじ-」とか
「壬辰 -みずのえたつ-」とか。
まあ、「みずのえ」とか言われても「水の江瀧子」しか思い浮かばない私ですが、そのひとつが「庚申-かのえさる-」。
中国からやってきた(干支も中国伝来ですもんね)思想のひとつで、江戸時代に盛んに行われていた民間信仰で、「庚申信仰」と言われているんだそうです。
人間の中には3つの虫がいて、これが庚申の日になると寝ている間に出てきて、神様にその人の行った悪いことを告げ口して、神様が罪状に応じてその人の寿命を縮めたりすると言われてるそうです。それで庚申の日は一晩中起きていることで、体からその虫が出て行かないように注意する。まあ、実際は一晩中起きてはいないんですが、なんだかちょっと楽しそうじゃないですか。
「見ざる、言わざる、聞かざる」の猿ですが、これは「自分のした悪いことを見たり聞いたり言ったりしないで!」という願望の現れだとか。
その60日ごとの庚申が今日、8月22日でした。
実は、この図が楽しそうでちょっと混じってみたかった私。近所の人に聞いたら、どうやら仲間に入ることができるらしい。って言うか、むしろ最近人が減ってきているから是非とも入って欲しいと言われ、今回から参加させていただいたのです。
庚申堂を開けるのは1時~3時。
しかし、この暑さ、当然冷房なんかありません。
2時間もこの中でじっとしているんでしょうか…
まずはやってきてお堂のお掃除をします。
飾りつけたり。
皆さん和気あいあいと楽しそうにお話しながらのお掃除です。
お賽銭箱も開けて中を数えて確認します。
「お賽銭72円でした」
ええっ!前回の庚申さんから今までのお賽銭がな、な、ななじゅうにえん!?
60日も経ってるんですよ!!えー、そんなに少ないのか。
普段からあまりお賽銭投げないんですけど、今後は庚申さんにお参りしてお賽銭ちゃんとあげようと密かに思った私です。
なんと!井戸もあります。
ここの井戸の水を使って拭き掃除。
この日は庚申さんに入っている人がひとりに付き50円を出し、家族の名前を書いた紙を貼り付けていきます。
地元の知った人ばかり。ってわけでもなく、こういうことでもないと会わない方もたくさんいらっしゃいました。
なんと私は新入りだと言うのに、この名前を書く番をさせていただきました。
中から見えるのはこんな光景
ここで2時間の間に繰り広げられる河崎井戸端会議が新鮮で、お白石の話や雨が降らない話。香川がいかに水の少ないところか、そこから戦時中の話になり、河崎のどの辺まで焼けたのか、その時疎開していたとか、防空壕は家の庭にあっただとか、どこまで逃げただとか云々。
なかなか普段聞けないお話をみなさん普通にしているので楽しいあっと言う間の2時間でした。
でも暑かった。
最後は片付けをして、また次の庚申さんまで。
次回の庚申さんは10月21日です。
お疲れさんでした。
みなさんも河崎にいらっしゃった時には是非ともこの庚申さんにお参りしてくださいね。