No.120 の乃フジ
2016/03/31
河崎で昔からテーラーをやっていた森田さんというお宅があります。
私が河崎に越してきた頃は、おじいさんが兄弟で通りに向かってミシンをかけているという光景でした。
使われていた二台のミシン。
小さな「森田洋服店」は長い間空いたままでしたが、小さくて味わいのあるかわいい建物です。
この空間を何かに生かせないかなぁ…と思っていました。
一方、モナリザスタッフでもある橋本トモコさんは以前よりアンティークの着物レンタルや着付けをしていましたが、そろそろ着物を置いておく場所が欲しいと思っていて、相談を受けていました。
同じように「装う」ことが生業でもあるし、と思い、打診してみると前の店舗だけなら、ということで了解を得ることができ、改装費用の負担は自分持ちということで家賃も交渉しました。
仕事の合間に少しづつ片付けや改装を重ね…
畳を片付け、床を張り…
ホコリとの戦いです。
半年以上、時間をかけてちょっとづつ掃除したり、直したり、家具を置いたりしていきました。
そうして、このゴールデンウィークにやっとお披露目の日がやってきました。
この写真は最初の写真と同じアングルです。こんなに変わりました!
オープニングイベントということで、数人の作家さんの作品が展示がされていました。お客さんもひっきりなしです。
店主の橋本も着物でお出迎えです。
オーダーのアクセサリーやヘッドドレスはどれもセンスよくてこの世にひとつだけのもの。
こちらは、マッキーこと河野麻希さんの描く森田さんのポストカード。線画がいい味出してます。て言うか、なんでこんな少ない線でパシっと描けるんでしょうか。すごいわ。
これには、森田さんの娘さんである大家さんもとても喜んで下さったそうです。
森田さんが使っていたミシンもそのまま展示してあります。
こんな風に、先代の使用者や歴史に敬意を払いつつ、新しいものを丁寧に重ねていく展開はとても河崎らしくて素敵です。
河崎には観光の人もちらほら見えますが、観光地ではなく、人々が暮らす町です。そんな中、暮らしに少しだけ光を灯すような小さなお店がこれからも出てくるといいな、と思っています。
の乃フジ
伊勢市河崎2-13-2(河崎本通り、播田屋さんの南隣りです)
営業日 毎週土曜日
営業時間 12:00~17:00
連絡先 モナリザ 0596-22-7600
nonofuji.jugem.jp/